雪駄に付いている鼻緒の色は、使われている素材によってもメジャーな色が異なります。まず、昔ながらの畳表と呼ばれる、畳の風合いのある雪駄についてです。畳の色は明るいものが多いため、その色を際立たせるために、鼻緒は濃い色を使うのが一般的なようです。畳みの明るい色合いと対照的な暗めの色を取り入れる事で、そのコントラストが際立つのです。和のイメージを大切にする意味も込めて、あまり派手な色合いは使わないのが通常です。ただ、和風を連想させるようなものであれば控えめな柄ものの鼻緒を取り付ける場合もあります。基本的に目立つような色合いになるのは、皮製の雪駄です。足が触れる表部分の素材自体が違うため、その塗装も当然違ってきます。色合いは畳表とはかなり違い、雰囲気も別物となっています。皮製になると途端にカラーバリエーションが増えるため、色合いについてはその雪駄毎に自分で決めなくてはなりません。無難な色合いとしては、同色に近い色を選ぶと言うのが一般的になっています。ただ、全く同じ色と言うわけではなく、少し濃い色か薄い色を選ぶようにするのがコツです。いくつかバリエーションを自身で確かめてみて、検討するのが良いでしょう。
男性が雪駄を履く場合、鼻緒の色として多いのは黒系の色です。どの色にするか迷った時には、無難な色合いとして選ぶと良いでしょう。しかし、これだと誰もが似通った雪駄になってしまい、個性が表現出来ません。そこで知っておきたいのが、様々な男らしい色の鼻緒の魅力です。黒の他にメジャーな色としては、ネイビー系・ブラウン系があります。紺色には、青みがかった鮮やかなものから黒に近いものまであります。茶色にもこげ茶色や赤茶色と言った色を、好みで選ぶ事が出来ます。カーキ色の濃い緑系や白系を選ぶ人もいるので、後は自分のスタイルに合わせて決めましょう。若い年齢の方ほど、鮮やかな色合いの鼻緒を選ぶのが似合います。若過ぎる小学生以下のお子さんの場合には、淡い水色や黄色を選んであげると良いでしょう。また、男性の雪駄の鼻緒には、黒を基調とした柄物も多く揃えられています。蛇柄や龍の模様が入ったものなど、和のイメージを中心に柄物が取り揃えられています。最近では若者向けに、ドクロのマークを入れたものもあり、そのデザインの種類は非常に豊かです。ネクタイの柄のようにかなり多く取り扱われているので、じっくり選んでみるのも良いでしょう。唐獅子柄のように、カラーの入った目立つデザインもあるので、目立つものが良い方は色と柄の両方に注目してみて下さい。
女性物の雪駄で現在主流になっているのが、着物の上品さを際立たせる銀や金色のような光沢の鮮やかな色合いのものです。これに合うような鼻緒を付ける事が一般的となっており、その色は上品さをより引き立たせるものでなくてはなりません。基本的に女性の場合は白い足袋を履いているため、それに合う色合いにします。白い足袋の清潔感ある雰囲気を邪魔しないような、ほぼ同色の淡い色の鼻緒を選ぶのが最適です。それでいて、高級感があり和のテイストに合う色合いを選ぶのです。ベージュや淡い紫色などがよく使われている雪駄の鼻緒の色になっています。若い方は赤やオレンジを使った、元気さのある色を使う事も良いでしょう。男性との異なった印象を持たせるためにも、鮮やかな色をなるべくしっかり使うか、淡い色を使うようにしましょう。目立った表現をなるべく避けたい場合には、クリームやシルバー色の表地にベージュの鼻緒が最適です。また、このベージュにも様々な色合いがあります。オフホワイトと呼ばれるような、白に近いベージュ色を選ぶ事も出来ます。黒地の雪駄を選ぶ場合にはこうした白系の鼻緒を持ってくると、コントラストの映える印象に仕上がります。お歳を召された方なら、濃い目の色合いの雪駄と鼻緒を選ぶとブランクを感じさせるような渋い色になります。