正式な雪駄と言えば、底が皮で出来たものが一般的ですが、他にも用途に合わせて色々な種類を選ぶ事も出来ます。サンダル感覚で履く事の出来る雪駄には、発砲プラスチック(EVA)を用いた素材もあります。この素材はクッションや緩衝材に使われているもので、柔らかい踏み心地が特徴的です。履いて歩いていても負担を感じさせない、気軽に履き回せるタイプです。プラスチック系素材の中でも弾力性がある事で知られており、丈夫で踏み心地もしっかりとしています。側面を見ると分かりやすいのですが、見た目が非常にサンダルと似通ったものになります。和風な外観が多少損なわれ、高級感の薄れる難点はありますが、日常でのちょっとした活動に使う場合には最適です。中には室内のスリッパ代わりに使う人もいる程、その使い回しやすさは断トツです。ただ、プラスチック製の底の雪駄は耐久性には優れないため、劣化が早いデメリットがあります。長時間使い続けるようなシーンには適さないので注意しましょう。その代わり、価格は非常に安く手頃で手に入れやすい利点があります。子ども用に大量に仕入れる必要がある場合や、お年寄りにバリアフリーに使ってもらうため、あるいは予備の雪駄として購入しておくのに適しています。
雪駄の底の中でも耐久性や耐摩耗性を重視するのであれば、アメ底を選ぶのも良いでしょう。アメ底は飴底とも呼ばれ、その名前の通りべっこう飴のような茶色い色合いをしています。長靴の底のように合成樹脂が張られてあり、滑り止めや摩耗防止の役目を果たしています。平らな路面や雨の日でも滑りにくいため、転倒しやすい子どもやお年寄りには適しています。耐久性も抜群と言われており、他の底のように擦り減るスピードが非常に遅いので、長時間に渡って使用しても問題ありません。長い間使い続けたい場合や、路面の粗い場所で使ったり、雪駄を激しく踏みつけながら使用する際にはピッタリです。間にクッション性のあるスポンジを挟んでいる場合が大半ですので、踏み心地も悪くありません。雪が降る季節や路面が凍結している際に雪駄を使うなら、アメ底が欠かせません。似た素材にウレタン製の底がありますが、大きな違いはクッションの有無と価格です。ウレタンはそれ自体に柔軟性があるため、スポンジを使っていない特徴があります。その代わり全面に素材を使っているため、少し高めの価格設定になっています。価格や履き心地を比較して、シーンに合ったものを選びましょう。
耐久性のある雪駄の中には、重くて歩きにくさを感じさせるタイプの製品もあります。いくら丈夫だからと言っても、人によっては動きにくく不便に感じる事もあるのです。これを避けるためには、軽量のライト系の底を選びましょう。ライト底とも呼ばれる底の雪駄を選べば、非常に軽快に履き回せます。間にクッションを挟んでいないため踏み心地の良さは期待できませんが、横から見た時に安っぽさを感じさせないメリットがあります。見た目を重視する意味でもライト底を選ぶ利点があります。裸足に近い感覚なので、走りまわる事の多い男性が履くのも良いかもしれません。ただし、丈夫さはほとんど保証出来ませんので注意しましょう。丈夫さと軽量さを同時に求めるなら、サンド底を選ぶのも良いかもしれません。サンド底はサンダルの底等によく使われるようなタイプで、ちょっとした滑り止めのような加工がしてあります。見た目が安っぽくなってしまいますが、ライト底よりも丈夫で足に馴染みやすいのが特徴です。価格は大きく変わりますが、雰囲気を重視するなら断然皮底がお勧めなので、お祭りの本番などのシーンではなるべく皮の雪駄を履きましょう。その予行練習やオフタイムの際には、化学繊維で作られた履き心地の良いタイプに履き替える、と言った使い方も良いのではないでしょうか。