雪駄は皮製品も多いため、洗う際にはダメージを与え過ぎない事が大切です。皮はいくら綺麗に扱って正しく保管していても劣化して行くもので、最終的には、はがれてしまいます。これは自分の手入れが行き届いていなかったというよりは、寿命だと考えるのが自然です。それでもその寿命を延ばしたいと考えるのであれば、まずは洗い方に注意しましょう。定期的に洗うのはもちろん良い事ですが、素材を傷付けないように優しく洗うのがポイントです。スポンジやきめ細かいブラシを使うようにしましょう。たわしやかための歯ブラシを使うと、素材を傷付けてしまう恐れがあります。汚れが落ちにくい場合でも我慢して、多少時間を掛けてでも柔らかい繊維の道具を使って洗いましょう。水をしっかり浸透させれば、大抵の汚れは中和して落ちます。畳表の場合には、畳の目に沿って洗って下さい。畳の線と垂直に擦ると傷んでしまうため、線と平行になるような形で洗って下さい。拭く場合も同様です。どのような素材であれ、柔らかく手触りの優しいようなふきんを用意して拭きましょう。スポンジ等で磨いた後は綺麗なタオルで優しく拭き上げる事で、乾燥も速くなります。汚れを除去したり乾燥させる事も大切ですが、丁寧で優しく扱う事も重視してみて下さい。
雪駄を日頃から手入れするなら、風通しの良い場所に置いてあげるのが一番です。これなら手間も掛かりませんから、家事の合間や休日のちょっとした時間に出来ます。ベランダや外に立てかけて、気持ちの良い風を当ててあげましょう。これを定期的に行うだけで、寿命が大きく変わって来ます。直射日光に当てないように裏向きに干すのがポイントなので、その点だけ注意しましょう。風のない日は扇風機やクーラー・暖房器具の近くに置くのも良いでしょう。雪駄をカビから守るためには、このように乾燥した場所にたまに置いてあげるのが良いのです。一緒に入れておいた紙や箱を乾かすのも良いでしょう。万が一カビが付いていたら、すぐに拭き取ってあげましょう。酷い場合には洗ってあげなくてはなりませんが、この時に一番大切なのは入念に洗う事ではなく、よく乾かす事です。乾燥していない日は2~3日くらい掛けて乾かすくらいの気持ちで、念入りに乾かすと良いでしょう。また、洗った後やちょっとしたカビが付いている時には拭き取る作業をしますが、これも勢いよく拭かないようにして下さい。ゆっくりと優しく、髪の毛を拭くのと同じような感覚で行うと良いでしょう。祭りの時期でなくとも、3か月に一度くらいは雪駄を覗いてみて、必要に応じて風に当てる癖を付けましょう。
雪駄は使用後はもちろんですが、使う前にも手入れをしておきましょう。水気や埃やダニが入り込んでいる事もあるので、まずは外に出して軽くはたきましょう。使用前であれば洗わなくても大丈夫です。とにかく埃だけふきんや雑巾を使って叩いて下さい。その後、同じ拭き物で周りを綺麗に拭き上げると、汚れが酷くなければそれだけでも十分綺麗になります。雪駄は牛や蛇と言った皮を使っている製品も多くあります。これらの素材は非常に繊細なため、洗剤や防虫剤などに反応する恐れがあります。使用後でもなるべく洗剤やクリームは使わず、水だけで拭くようにしましょう。最近では、見た目のデザインは畳表等の和風でも、ビニールで加工された雪駄が売られています。伝統の風合いは残しながらも、汚れを落としやすくしているので、非常に使い勝手の良い商品です。洗うのが面倒に感じる方や、汚れをよく付けてしまう方は、汚れを付けにくい雪駄を選ぶのも一つの方法です。履き物ですから、かかと部分にダメージが蓄積されやすいのですが、この部分だけを修理してもらう事も可能です。特に雪駄は音のなる鋲の部分があるので、この音の成り方が良くないと特徴が薄れてしまいます。インターネットから修理を依頼する事も出来るので、直してもらうのも良いでしょう。
お祭り用の雪駄などは使用頻度にもよりますが、鼻緒や底にかなりの力が掛かりますので基本的には修理等ができない品が多いです。特に2,000円以下の商品は消耗が酷い場合は買った方が修理に出すよりも安い場合が多々ございます。鼻緒が切れたりかかとがすり減って金具が取れてしまっても、修理の方が高くつく場合が多いかと思われます。但し10,000円以上もする雪駄や草履は作りが違うため、鼻緒のすげかえやかかとの修理(底のはがれ等)ができます。ひっくり返してみて分解ができる構造でしたら直せますが、接着剤等でくっ付けてあるものはほぼ修理は不可能と考えてください。