雪駄を履く際には、足袋との相性も考えてみましょう。昔は素足で履く男性もいましたが、今は身だしなみや怪我防止の意味でも足袋を履くのがメジャーとなっています。色は通常の靴下と同じように、白色を基調とするものがメインです。これは足元に清潔感を出すためだと言われており、無難な色としても定着しています。ただ、汚れが目立つ点もあるので、男性の方は黒や柄物を履く人も多くいます。カラーで言うと、黒・紺・白の3色から選ぶようになっており、後は好みや股引きとの組み合わせから選びます。同色で固める人もいれば、色を外して存在感を際立たせる方法もあります。衣装を全て黒でまとめるのも男らしくなりますが、股引き部分だけ真っ白なものを使えば、コントラストが非常に綺麗に決まります。厳かで神聖なイメージの強いお祭り、あるいは美しさを際立たせたい女性は白を使いましょう。この時、雪駄の色合いにも注目して下さい。鼻緒の色を同色の白にして、畳表や木をイメージさせる落ち着いた色合いであれば、非常に厳かな印象を持たせられます。男らしさを強調させたい場合も、全てを真っ黒にするのではなく、雪駄の黒部分を引き立たせるために白い足袋を用いる履き方もあります。白い足袋を履く事で鼻緒の黒い部分を強調させる事が出来るのです。このように、白い足袋はどんなパターンにも合わせやすいので、一つ持って置いて損はありません。
雪駄には実は岡足袋と呼ばれる専用の足袋があります。雪駄を履く事を想定して作られているため、フィットしやすく歩きやすいように作られています。足袋と言えば通常は地下足袋の事を指す事もあります。大工さん等が現場で仕事をする際によく履いている作業用の靴です。これはその名前の通り、地面に直に履くため、言い換えれば丈夫なスリッパのような役割を果たしています。しかし、この足袋だとそのまま靴として履く事を想定しているため、雪駄を履く際には向きません。そこで考案されたのが中に履く用の岡足袋と言う事です。地下足袋とは違って靴下のように履く事を想定して作られているため、雪駄との相性が抜群なのです。地下足袋は下がゴム底になっていたり、素材が厚手になっているため、中に履くものとしてふさわしくありません。岡足袋のような、薄手で使い勝手の良い足袋を選ぶようにしましょう。地域や商品の種類によっては、地下足袋に近い作りのものもあります。中でも横須賀足袋は特徴的で、裏面に滑り止めが付いてます。こうした足袋を履けば足元により安定感が生まれるため、足元に不安がある方は選んでみると良いでしょう。最初は馴染みにくくても、洗濯を繰り返して履いているとフィットしてくる事もあるので、多少の不快感があっても我慢してみる事が大切です。
雪駄を履く際には、足袋のサイズにも配慮しましょう。雪駄は少し小さめを選ぶ方が粋だと言われるように、足袋もまた同じように多少小さめの方がカッコ良く見えます。タイトでスタイリッシュな印象を持たせる効果があるのですが、実用性を考えても小さめの方が良いのです。サイズが足にフィットしない大きなものを履いていると、途中で脱げてしまう事があります。特に体を動かす男性は注意して、なるべく足にぴったり来るものを選んで下さい。足で踏ん張る際にも、雪駄の大きさがちょうど良くても足袋の大きさが大きいと、ズレが生じて途端に踏ん張りが利かなくなってしまいます。もちろん歩いたり走ったりする際にも支障が出るため、少しキツイと思うくらいのものを選んでみましょう。注文してから試着してみて少し小さすぎると感じたら、洗濯をすると多少緩和される事もあるので試してみて下さい。相性の良くない足袋を買ってしまうと途中で不快感に襲われて、裸足になってしまう事もあります。雪駄を履いていれば足の裏側は守れますが、表部分は守りきれません。人混みの多い祭りの中では、他人に足を踏まれたり擦られてしまう事はよくある事です。怪我をするだけならまだ自分の責任ですが、血が出てしまうとその血を他人に付着させてしまう恐れがあります。これは非常に迷惑になるため、マナーを守るためにも必ず足袋を履くようにしましょう。