股引きの歴史は古く、室町時代まで遡ります。
普段着として広く愛用され始めたのは、江戸に入ってからと言われています。
現在のズボンの様に両足をそれぞれ布に通し、腰の後ろで紐を結んで履く形となっていました。
股上が左右に開く形となっていたため、用を足す際に便利で、広く一般に普及しました。
風通しが良く吸水性にも優れた木綿素材やチリメン素材の股引きが多かったため、作業着としても愛用されました。
膝丈の股引きもあれば、足首までの股引きもあったようで、用途により使い分けられていたようです。
江戸末期には足にぴったり張り付くほど細身の股引きが流行しました。
体を動かすことの多い職人にとっては、ダボつかない細身の股引きの方が使い勝手が良かったようです。
明治に入り着用スタイルが少し変化しました。
股引きの上に腰下まではしょった着物を着て、着物の上に半纏を羽織るスタイルが定番となりました。
また、明治には洋装が一般庶民の間でも広がったため、股引き単独での着用から下着としての用途に移り変わっていきました。
昭和でもその名残から下着として着用され、後のステテコと変化していきました。
その後しばらくの間股引きは姿を消す傾向にありましたが、現在再びファッショナブルなステテコとして注目を浴びています。