地方によってお祭り衣装とその傾向は異なるため、慣れていない方は、祭り用品の選び方の基本を押さえておくと便利です。インナーとして着る祭り用品である鯉口シャツと、その外側に着る腹がけは色を外すのが一般的です。祭り用品はただ色を外すだけでなく、相反するようなコントラストを利かせたカラーの組み合わせだと、非常に見栄えが良くなります。祭用品のズボンとなる股引きについては、2種類の選び方があります。主流となっているのは、腹がけのカラーと同じものを選ぶ形です。鯉口シャツ以外の祭用品の色を全体的に揃える着方は多くの人の間で根付いており、初心者でもコーディネートがしやすい特徴があります。たまにこの上下の色を外して、紺色の腹がけに黒い股引きのような祭用品の組み合わせをする方がいます。しかし、これはおまつり用品の良さである粋のイメージに反するまとまりのない印象になるため、なるべく避けて下さい。ただ、もう一方の鯉口シャツと股引きの色を合わせるおまつり用品のコーディネートであれば、衣装として問題なく着る事が出来ます。おまつり用品はセット販売もよく行われているので、お店を除いてみると分かりやすいでしょう。どちらの着方をする場合も、色合いの濃淡やまとまりを意識すると、違和感のない自然な着こなしが可能となります。
粋で締まった印象を大切にする祭用品ですが、サイズの大きさだけではなく色や種類に拘って選ぶ事で、より粋な格好になります。例えば、足元や帯・鉢巻きと言った細かな部分に使う祭用品の色を変えるだけでも、かなり違った印象になります。上半身に淡い色の袢纏や法被を着る事はよくありますが、こうした祭用品に濃い色のまたひきや地下足袋を選ぶだけで、非常にまとまった印象に仕上がります。ただし、夏祭りに関しては祭り用品のインナーを白でまとめる事が多いため、その場合には下半身も同じ色でまとめ上げる方が無難になります。中途半端な色合いを選ぶくらいであれば、全く同じ色で全ての祭り用品をまとめるくらいの方が粋になります。それから帯の色は、同じ祭り用品のインナーの色と合わせるか、袢纏と正反対の色を選ぶのがお決まりとなっています。帯はおまつり用品のお店等で比較すると分かりやすいのですが、上着との組み合わせによって全く印象が変わります。特に女性が腰に付けるおまつり用品である巻帯は、男性の帯よりも若干太めに作られているので、色の違いが顕著に出ます。男性の場合は黒や紺を選ぶのがおまつり用品の基本ではありますが、袢纏の色がそうした色である場合には、鮮やかな色かブルーで締めると見た目が良くなります。
お囃子の際に、子どもから大人まで盛り上げのために使用する祭り用品の和楽器ですが、使う人や楽器の質をを考えて選ぶ事が大切になります。まず、基本的に楽器系統の祭り用品の価格や質を左右しているのが本体の大きさです。大きければ多いほど上質に出来ている事が多く、特に祭り用品の擦り金は、大きなサイズの方が音が綺麗に広がって響きます。遠くまで自然な音を響かせるためには、大きな祭用品の楽器を用いらなければなりません。しかし、大人数で鳴らしたり、子どもが祭用品を演奏する場合には選び方を変えなくてはなりません。大きな祭用品の楽器を大人数が鳴らすと耳に支障が出る程の大音量になってしまうので、人数が多い場合には小~中程度の楽器を選びましょう。お神輿の中で演奏する場合には、価格を妥協せず、大きくて高価なおまつり用品の楽器を購入しましょう。周囲にお神輿の存在をアピールするメリットもあり、高価なおまつり用品ならお神輿の周辺がより神々しくなります。ただ、大きなおまつり用品をずっと手に持って演奏すると疲れてしまいやすいため、吊り下げる紐や土台を用意しておきましょう。女性や子どもの場合にはこの辺りに特に配慮する必要があるので、演奏者の性別や人数・年齢を考慮した上でじっくり検討して決めましょう。